良いコンテンツがあれば、良いWebサイトになるわけではない

Webサイトを見ていて、「もったいない」と感じることがあります。

写真はきれい。内容もいい。伝えるべき情報もしっかり用意されている。

それなのに、見ている途中で読む気がなくなったり、最後まで辿り着かなかったりする。

逆に、かなり個性的なデザインなのに、必要な情報がすっと入ってくるサイトもあります。

最近いくつかのサイトを続けて見ていて、コンテンツそのものの良さと、それが見る側に届くことは別なのかもしれないと思いました。

良いものを用意したあと、それをどう見せるのか。

今回はWebサイトにおける**「コンテンツの届け方」**について考えます。

良い素材も、見せ方によって弱くなる

写真や文章などの素材が良ければ、それをたくさん掲載したくなります。

特に商品や施設を紹介するサイトなら、伝えたい魅力はいくつもあるはずです。

ただ、全部を見せようとした結果、ひとつひとつの魅力が弱くなってしまうこともあります。

全部を小さくすると、全部が弱くなる

最近見たウェディングサイトには、きれいな会場、ドレス、料理など、魅力的な写真がたくさんありました。

さらに説明や利用者の声などもあり、情報そのものはかなり充実しています。

それなのに、私はあまり読む気になれませんでした。

理由のひとつは、写真も文字も小さく、大量の情報が同じような強さで並んでいたことです。

せっかく写真そのものに力があるのに、小さな枠の中に収めてしまう。

説明もたくさんあるのに、細かな文字が続く。

情報を減らす必要はないと思います。

でも、全部を一度に同じように見せるのではなく、「まずこれを見てほしい」を決めるだけでも印象は変わるのではないでしょうか。

良い素材が多いほど、それを並べるだけではなく、編集することが必要なのかもしれません。

情報までの距離が遠いと、興味は減っていく

見せ方の問題は、大きさやレイアウトだけではありません。

その情報を見るまでに、どれだけの操作や時間が必要なのか。

これも、コンテンツが届くかどうかに大きく関係しているように感じます。

最初が良くても、興味は無限ではない

抹茶をテーマにした商品サイトを見たとき、最初の印象はかなり良いものでした。

抹茶が降りかかるような演出。きれいな商品写真。読みやすい文字。

最初の数秒で「もっと見たい」と思いました。

ところが途中から、次の情報を見るためにかなりスクロールする必要がありました。

スクロールしても、すぐには新しい情報が出てこない。

またスクロールする。

その繰り返しで、最初にあった興味が少しずつなくなっていき、私は最後まで見ずに離脱しました。

ここで感じたのは、興味にも残高のようなものがあるのではないかということです。

最初に興味を持ってもらえても、その興味が永遠に続くわけではありません。

操作に対して新しい情報や発見が返ってこなければ、残高は少しずつ減っていく。

良いコンテンツがページの先にあったとしても、そこまで辿り着いてもらえなければ届きません。

「待てば見られる」も同じかもしれない

別のサイトでは、最初に印象的なビジュアル演出があり、そのあとにサイトのタイトルが表示される構成になっていました。

演出自体はサイトの内容とも合っていて、悪いとは思いません。

ただ、気になったのはタイトルを見るために待つ必要があることでした。

その時間を全員が待ってくれるとは限りません。

タイトルは、そのサイトが何なのかを理解するための重要な情報です。

それなら、演出を最後まで見た人だけが受け取れる情報にしてしまっていいのでしょうか。

見せたいものほど、奥に置かない。

これはWebサイトではかなり重要なのかもしれません。

デザインは、情報を届けるためにも使える

ここまで考えると、派手なデザインや個性的なレイアウトが問題なのではないことも分かります。

実際、かなり独特な世界観を持ちながら、情報が自然に入ってくるサイトもありました。

少しおどろおどろしい雰囲気。統一された色。個性的なビジュアル。

それでも、イベントの内容や日時、会場、ゲスト、タイムテーブルといった必要な情報を理解するのに苦労しません。

世界観を作ることと、情報を伝えることが喧嘩していない。

ここが大きな違いだと思います。

「見せたい」と「見てもらえる」は違う

Webサイトを作る側には、見せたいものがあります。

きれいな写真を全部見せたい。

商品の世界観を体験してほしい。

演出を楽しんでほしい。

豊富な情報を伝えたい。

どれも自然なことです。

でも、見る側には見る側の時間があります。

写真が小さければ、よく見ないかもしれない。

文字が細かければ、読まないかもしれない。

何度もスクロールする必要があれば、途中でやめるかもしれない。

演出が終わるまで待てなければ、その先の情報は見られません。

「見せたいものを置いた」ことと、「実際に見てもらえた」ことは同じではない。

デザインはコンテンツを飾るだけではなく、見る側まで届けるためのものでもあるのだと思います。

【まとめ】良いコンテンツほど、届け方を考える

今回見たサイトには、コンテンツそのものが悪いと感じるものはほとんどありませんでした。

むしろ、きれいな写真や面白い演出、豊富な情報など、素材として魅力的なものがたくさんありました。

それでも、

小さく見せる。
大量に並べる。
辿り着くまでスクロールさせる。
表示されるまで待たせる。

そうした見せ方によって、本来の魅力が見る側まで届かなくなることがあります。

反対に、世界観の強いデザインでも、必要な情報までの道筋がきちんと作られていれば、内容は自然に入ってきます。

良いコンテンツを作ることはもちろん大切です。

でも、その次には、

「これは本当に、見る人まで届く形になっているだろうか」

と考える必要があるのかもしれません。

Webサイトを見るとき、これからは何が掲載されているかだけではなく、その情報がどんな大きさで、どんな順番で、どれくらいの距離に置かれているのかも観察してみたいと思います。

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