Webサイトを見ていると、さまざまな「動き」に出会います。
スクロールすると文字や画像が現れる。画像にカーソルを合わせると見た目が変わる。文字が画面を横切っていく。
Webデザインを見ていると当たり前のように使われている表現ですが、最近サイトを見るたびに思うことがあります。
「この演出、本当に必要なのだろうか?」
もちろん、動きのあるWebサイトが嫌いなわけではありません。
むしろ、うまく使われているアニメーションは好きです。それでも、サイトを見ていて「なぜここを動かしたのだろう」と疑問に思うことが増えてきました。
今回は、Webサイトにおける「演出」について考えてみます。
Webサイトの演出には何の役割がある?

Webサイトのアニメーションやホバーエフェクトには、さまざまな役割があります。
単純にサイトを華やかに見せるだけではありません。ユーザーに「ここを見てほしい」と伝えたり、操作できる場所を分かりやすくしたりすることもできます。
動くこと自体が悪いわけではない
例えば、ボタンにカーソルを合わせたときに色が変われば、「ここはクリックできる」と直感的に分かります。
スクロールに合わせて情報が順番に表示されることで、視線を自然に誘導できる場合もあります。
Webサイトで使われる動きには、例えば次のような役割があります。
- ・ユーザーの視線を誘導する
- ・クリックできる要素だと伝える
- ・情報を順番に見せる
- ・ページの変化や状態を伝える
- ・ブランドやサイトの世界観を表現する
こうして考えると、アニメーションそのものには十分な意味があります。
私が気になっているのは、「動いていること」ではなく、「なぜ動いているのか分からないこと」なのかもしれません。
「何のため?」と思った瞬間に演出が気になり始める

先日あるポートフォリオサイトを見ていて、画像にカーソルを合わせるとモザイク状に変化する演出に出会いました。
最初は「こんな表現もあるのか」と思いました。しかし、何度か操作しているうちに、別の疑問が出てきました。
モザイクになった。それで何が変わった?
画像にホバーするとモザイクになる。
視覚的には面白いのですが、そこで私は「これは何のためにあるんだろう?」と思ってしまいました。
追加の情報が表示されるわけでもなく、操作方法が分かりやすくなるわけでもありません。
もちろん、サイトの世界観を表現するための演出という可能性もあります。
しかし、ユーザー側から見たときに意味を見つけられないと、いつの間にかコンテンツではなく「演出そのもの」へ意識が向いてしまいます。
動きがコンテンツより目立っていないか
同じサイトでは、ページの最後に文字が繰り返し流れる演出もありました。
ここでも「なぜ流れているんだろう」と考えてしまいました。
Webサイトには遊び心があってもいいと思います。すべての要素に機能的な理由が必要だとも思いません。
それでも、遊び心と、作り手が表現したいものを一方的に見せることは同じなのだろうかという疑問が残ります。
演出が強くなればなるほど、サイトを見ている人ではなく、作った人の存在を強く感じる瞬間があります。
スクロール演出で「待たされる」のはどうなのか

別の企業サイトでは、何をしている会社なのかが分かりやすく、情報もきれいに整理されていました。
それでも気になったのが、スクロールに合わせて情報を見せる演出でした。
ユーザーが読む速度をサイト側が決めてしまう
スクロール演出には、一つずつ情報を見せることでユーザーの足を止める効果があります。
重要なメッセージをじっくり見てもらうためなら、有効な方法なのかもしれません。
一方で、すでに内容を理解して次へ進みたい人にとってはどうでしょう。
スクロールしているのに演出が続き、次の情報を見るまで少し待つ必要がある。
その瞬間、「情報を見せるための演出」が「情報を見るための障害」に変わる可能性があります。
| 演出の目的 | ユーザーにとってのメリット | 強すぎる場合 |
|---|---|---|
| 視線誘導 | 重要な場所に気づける | 見る場所を強制される |
| 順番に表示 | 内容を理解しやすい | 読む速度を制限される |
| 世界観の表現 | 印象に残る | 内容より演出が目立つ |
同じ演出でも、使い方によって体験はかなり変わります。
だからこそ、「動きを入れるかどうか」より、その動きによって見る人の体験がどう変わるのかを考えることが大切なのかもしれません。
【まとめ】演出の意味を考えるとWebサイトの見え方が変わる

Webサイトを見ていると、「かっこいい」「斬新」「よく動く」と感じるサイトにたくさん出会います。
以前なら、それだけで「すごいサイトだな」と思っていたかもしれません。
でも最近は、その先が気になります。
なぜ動かしたのか。
その動きによって何が伝わったのか。
そして、その演出は誰のためにあるのか。
すべての演出に明確な意味が必要だとは思いません。
意味のない遊びがあるからこそ、面白いWebサイトが生まれることもあります。
それでも、演出によって情報が見えにくくなったり、ユーザーが待たされたりするのであれば、一度「本当に必要なのか」を考えてみてもいいのかもしれません。
これからWebサイトを見るときも、動いていること自体ではなく、「その動きが何を生み出しているのか」を見ていきたいと思います。