「ブルータリズムは終わった」
そう言われることがあります。
しかし、この言葉には前提のズレがあります。
終わるためには、まず流行していなければならない。
ではブルータリズムは、本当に流行していたのでしょうか。
本記事では、「終わった/終わっていない」という評価を一度脇に置き、
ブルータリズムが辿った実態を 流行・可視化・定着 という構造で整理します。
ブルータリズムは「流行」していなかった

まず確認すべきなのは、流行の定義です。
流行とは、再生産され、増えていく現象です。
流行には「増える構造」が必要である
流行が成立するためには、以下の条件が必要です。
- 多くの人が再現できる
- 文脈を問わず使える
- 安全に模倣できる
これらが揃うことで、テンプレートが生まれ、広がっていきます。
ブルータリズムはどうでしょうか。
文脈に強く依存し、再現性が低く、少しのズレで破綻します。
つまり、増えるための構造を持っていない。
だからブルータリズムは、
流行として成立していなかったのです。
起きていたのは「流行」ではなく「可視化」だった

では、なぜ「流行していたように見えた」のか。
答えは、一時的な可視化です。
名前がつき、まとめられた瞬間に起きた誤解
ある時期、ブルータリズムは、
- デザインメディアで特集された
- 名前が与えられた
- 事例として整理された
これによって、「存在」がはっきり見えるようになりました。
しかしこれは、
広がったのではなく、見える場所に置かれただけ。
可視化は流行とは異なります。
増えなくても、見えることはある。
その違いが、混同されていたのです。
「残らなかった」という事実の正体

ブルータリズムは確かに、
Web上に定着しませんでした。
残らなかったのは、常設に向かない性質だったから
ブルータリズムは、
- 運用に弱い
- 商業と衝突する
- 安心や合意を前提としない
という性質を持っています。
| 観点 | 結果 |
|---|---|
| 再生産 | 増えない |
| 常設 | 向かない |
| 商業 | 相性が悪い |
つまり、
残らなかったのは失敗ではなく、性質です。
思想は存在しても、
形として残る構造を持たなかっただけ。
【まとめ】終わったのではなく、流行しなかった

整理すると、結論はこうなります。
- ブルータリズムは流行していない
- だから終わったとも言えない
- 一時的に可視化されただけ
- 定着しなかったのは性質によるもの
ブルータリズムは、
増えない思想でした。
それは弱さではなく、
この表現が持つ本質です。
