ミニマルなWebサイトは、削ったあとに何を残すのか

以前、ミニマリズムについて考えたとき、私は「何を減らしているのか」という視点でWebサイトを見ていました。

装飾を減らす。色を減らす。情報を整理する。

でも、その後もたくさんのミニマルなWebサイトを見ているうちに、少し違うことが気になるようになりました。

同じようにシンプルで整っているのに、もっと見たくなるサイトと、何もせず離れてしまうサイトがある。

では、その違いはどこにあるのでしょうか。

今回は「何を減らすか」ではなく、削ったあとに何を残すのかという方向から、ミニマルなWebデザインについて考えてみます。

ミニマルであること自体には、もう驚かない

余白が広く、使う色が少なく、要素が整理されたWebサイト。

ミニマルなデザインを見ていると、確かにきれいだと思います。

ただ、たくさんのサイトを見ているうちに、「ミニマルだから素敵」とは思わなくなりました。

整っている。でも、それから?

情報が整理されている。

見づらいところもない。

余計な装飾もなく、デザインとして破綻しているわけでもない。

それでも、見終わったあとに何も残らないサイトがあります。

最近見たあるポートフォリオサイトでは、作品をクリックすれば詳細を見られるようになっていました。

でも私は、一度もクリックしませんでした。

操作方法が分からなかったわけではありません。

ただ、クリックして続きを見たいと思う理由がなかったのです。

そこで初めて、ミニマルなデザインでは**「削ること」以上に「削ったあとに何が残っているか」**が重要なのではないかと思いました。

興味まで削ってしまうことがある

要素を減らせば、ノイズは減ります。

しかし、減らし続ければ必ず良いサイトになるわけではありません。

情報も、装飾も、動きも、色も減らした結果、見る人の興味まで一緒に削ってしまうことがある。

「余計なものがない」と「見たいものがある」は、同じではないのだと思います。

少なくても「もっと見たい」サイトはある

一方で、同じようにミニマルでも、自然と続きを見たくなるサイトもありました。

そこには大量の情報や派手な演出があるわけではありません。

むしろ、とてもシンプルです。

それでも「もう少し見よう」と思えます。

少ない情報でも、何をすればいいか分かる

印象に残ったポートフォリオサイトでは、最初から「この人が何者なのか」「これは何のサイトなのか」が明確でした。

作品が並び、気になったものを選べば詳細を見られる。

それだけです。

でも、誰のサイトで、何があり、次に何ができるのかが迷わず分かる。

ここで感じたのは、「見やすい」と「明確」は少し違うということでした。

説明を大量に置かなくても、サイトの目的と次の行動が分かれば、シンプルな構成でも置いていかれません。

世界観が残っているサイトもある

別のサイトでは、ダークな色調と暗めの写真が全体で統一されていました。

要素は少なく、無駄な動きもほとんどありません。

それでも物足りなく感じなかったのは、削ったあとにも、そのサイト独自の世界観が残っていたからなのかもしれません。

ミニマルにすることは、個性をなくすことではない。

むしろ要素が少ないからこそ、残された色や写真、フォント、余白の使い方が、そのサイトらしさを強く作ることもあるのだと思います。

「見る理由」まで削らない

ここまで見てきて、ミニマルなサイトで残しておきたいものは、必ずしも情報量ではないように感じています。

明確さ、世界観、選ぶ楽しさ、感情、情報、次を見たいと思う理由。

どれかひとつでも残っていれば、要素が少なくてもサイトは空っぽには感じません。

シンプルでも、情報はきちんと入ってくる

最近見た犬向け商品のサイトは、色使いも大きなフォントもかわいく、とてもシンプルでした。

でも、スクロールすると商品の特徴や原材料など、新しい情報がきちんと入ってきます。

だから、次へ進む理由がなくなりません。

ここでも、情報を大量に並べる必要はないのだと思いました。

必要なタイミングで、必要なものが返ってくる。

それだけでも、シンプルなサイトを見る体験はかなり変わります。

「かわいい」だけでは残らないこともある

反対に、シンプルでかわいく、見やすいのに、ほとんど印象に残らなかったサイトもありました。

つまり「かわいい」「きれい」「整っている」という感覚も、それだけで見る理由になるとは限りません。

デザインとして完成していることと、見る人の中に何かを残すことは別なのかもしれない。

ミニマルなデザインでは要素が少ないぶん、その違いがよりはっきり見えるように感じます。

【まとめ】減らした先に、見る理由を残したい

ミニマリズムについて最初に考えたとき、私は「何を減らすのか」に注目していました。

でも今は、その先のほうが気になります。

削ったあとに、何が残っているのか。

ノイズを減らすことは大切です。

ただ、ノイズと一緒に興味や個性、次を見たいと思う理由まで削ってしまえば、きれいに整っていても、そのまま通り過ぎられてしまうかもしれません。

ミニマルなWebサイトに必要なのは、できるだけ何もなくすることではなく、残すものを選ぶことなのではないでしょうか。

明確さを残す。

世界観を残す。

情報を残す。

感情を残す。

見る人が自分で選べる余地を残す。

これからミニマルなサイトを見るときは、「何がないか」だけではなく、

「このサイトは、削ったあとに何を残したんだろう」

というところまで見ていきたいと思います。

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