Webサイトを見ていると、画面のあちこちから「ここを見て」と言われているように感じることがあります。
大きな文字。大きな写真。鮮やかな色。流れる文字。スクロールすると現れる画像。
ひとつずつ見れば、それほど珍しい表現ではありません。
でも、それらが同時に使われているサイトを続けて見ていると、ある疑問が出てきました。
全部を目立たせたとき、本当に伝えたいものは目立っているのでしょうか。
一方で、要素を削ったシンプルなサイトなら必ず伝わるわけでもありません。
今回は、Webサイトに必要な**「主張の強さ」**について考えてみます。
全部が強いと、見るだけで疲れる

大きなフォントは目を引きます。
写真を大きく使えば、その写真にも自然と視線が向きます。
色を強くすれば印象に残り、アニメーションを加えれば動いているものを見てしまいます。
どれも、情報を目立たせるためには有効な方法です。
ただ、それらをすべて同時に使うとどうなるのでしょうか。
どこを見ても「強」になってしまう
最近見たサイトの中に、大きな文字、大きな写真、横に流れる文字、スクロールによって現れる画像など、さまざまな表現がひとつのページに使われているものがありました。
最初は目を引きます。
でも見続けていると、だんだん疲れてきました。
原因は、一つひとつの表現ではないように思います。
画面のどこを見ても、視覚的な強さがほとんど変わらないこと。
それが負担になっていたのかもしれません。
文字も強い。写真も強い。色も強い。動きも強い。
すべてが主役になると、見る側はどこを見ればいいのか判断し続けることになります。
「弱い場所」も必要なのかもしれない
強い要素を目立たせるには、その周囲に弱い要素が必要です。
大きな文字があるから、小さな文字がある。
鮮やかな色があるから、落ち着いた色がある。
動く場所があるから、静かな場所がある。
強・中・弱があることで、初めて「強」が機能する。
Webサイトにも、視線を休ませる場所が必要なのかもしれません。
強いデザインだから悪いわけではない

ただ、ここで「大きな文字や派手な表現をやめればいい」と考えるのも違う気がします。
実際、大きなフォントを大胆に使ったサイトを見て、表現として合っていると感じることもありました。
商品そのものが強ければ、表現の強さにも意味がある
印象に残った商品のサイトでは、大きな文字が何度も使われていました。
かなり強いデザインです。
それでも、その商品の名前や特徴を強烈に見せる表現としては成立しているように感じました。
実際、サイトを閉じたあとにも商品名は覚えていました。
ここでは、デザインの強さと商品のキャラクターが結びついていたのだと思います。
つまり、主張が強いこと自体が問題なのではありません。
「なぜここを強く見せるのか」が分かるかどうか。
そこが重要なのかもしれません。
さらに足した瞬間、やりすぎになることもある
一方で、大きな文字だけなら成立しているのに、そこへ流れる文字や別の演出まで加わると、急に「やりすぎ」と感じることもあります。
これは少し面白いところです。
一つの強い表現で十分伝わっていたのに、さらに目立たせようとして別の表現を足す。
その結果、最初にあった強さまで埋もれてしまう。
目立たせる表現は、足せば足すほど強くなるわけではない。
むしろ、どこかで逆効果になる境界がありそうです。
削れば伝わるわけでもない

では逆に、要素を減らして静かなサイトにすればいいのでしょうか。
これも、最近見たサイトから「そう単純ではない」と感じました。
ミニマルで洗練された見た目なのに、何のサイトなのか分からない。
誰が、何をしていて、何を見せたいのかも分からない。
そんなサイトもあります。
「何も主張しない」と「伝わる」は違う
要素を減らすことで、画面は静かになります。
でも、伝えるべき情報まで弱くしてしまえば、見る側は迷います。
特に最初の画面で、
「これは何のサイトなのか」
「誰のサイトなのか」
「ここで何ができるのか」
といった基本的なことが分からなければ、その後のデザインを楽しむところまで進めないこともあります。
ミニマルであることと、説明を放棄することは違います。
少ない情報でも、最初に分かれば迷わない
反対に、情報量がかなり少なくても、とても見やすいと感じたサイトもありました。
そこには最初から、このサイトが何なのかを理解するための情報がありました。
それが分かった状態で見る写真は、純粋にビジュアルとして楽しめます。
情報を大量に置く必要はありません。
最初に必要なことが、必要な強さで伝わっている。
それだけでも、見る側の迷いはかなり減るのだと思います。
【まとめ】何を強くするかを決める

今回いくつかのWebサイトを見ていて、派手かシンプルかという分類だけでは説明できないことが増えてきました。
強いデザインでも、伝えたいものと結びついていれば記憶に残ります。
シンプルなデザインでも、必要な情報まで削ってしまえば何も伝わりません。
だから重要なのは、主張を強くすることでも、弱くすることでもなく、
「このサイトで、何を一番強く伝えたいのか」を決めること
なのかもしれません。
全部を大きくしなくてもいい。
全部を動かさなくてもいい。
全部に色をつけなくてもいい。
そして、全部を削る必要もない。
ひとつを強く見せたいなら、ほかを少し静かにする。
必要な情報だけは、迷わない強さで残しておく。
Webサイトを見るとき、これからは「派手」「シンプル」だけではなく、どの情報にどれくらいの強さが与えられているのかにも注目してみたいと思います。