ブルータリズムは「飾らない/整えない/構造をむき出しにする」デザインとして語られることが多いです。しかし海外の現場では、その精神がさらに進化し、ミニマルの対極にある“反・整頓”の美学として広がっています。
今回は私が実際に見て「これはブルータルだ」と感じた 6つの海外サイトを紹介します。
どれも綺麗にまとめることより、世界観の強さ・情報の暴力・UIの破壊力を優先したデザインばかりです。
ブルータリズムを深く理解したい人、自分の制作に“揺さぶり”を入れたい人におすすめです。
海外ブルータリズムサイト 6選
Giant Owl(ブルータル度 ★★★★☆)

白と黒だけで成立する“素の構造”。
余計な装飾は一切なく、文字と写真だけが静かに画面を占有する。
これぞブルータリズムの本質である “構造優先・素のまま” という姿勢が強くにじむサイト。
スクロールするたび、映画を見ているような気分。
ポイント
- タイポグラフィが主役
- 装飾ゼロで、画面が「剥き出し」
- 情報の置き方が極端にミニマル
Problem Studio(ブルータル度 ★★★★★)

現代ブルータリズム(Neo-Brutalism)の象徴。
白背景 × 青文字 × 壊れかけたレイアウト。この“わざと崩す”感覚が圧倒的に強い。
スクロールしても大して得られるものはない。そこがいい。
ポイント
- ブルータル系ギャラリー常連
- ルールを破る配置と余白
- タイポの不規則さが美しい
Studio Job(ブルータル度 ★★★★☆)

引用元:https://www.studio-job.com
アート寄りで、UIの整頓より“刺激”を優先したサイト。
ビビッドな色と大胆な構造が混ざり合い、完全にミニマルの対極にある。
ニコニコしながら見続けちゃう、ふざけ具合。
やんちゃなサイト。
ポイント
- ハイコントラスト × アート表現
- タイポサイズが極端
- 見た瞬間に“強い”サイト
Purho(ブルータル度 ★★★★☆)

ブランドサイトでありながら、ブルータル成分が明確に存在する珍しい例。
意図的に粗い構造と強い色を使い、ラグジュアリーとは違う“無骨な緊張感”をつくり出している。
ミニマルに近いけど、結局文字を読ませたいのかどうなのかわからない系。
ポイント
- brutalistwebsites.com に掲載
- 文字と画像の組み方がラフ
- 高級感と粗さの融合(おもしろい)
Take a Walk on the Wild Side(ブルータル度 ★★★☆☆)

引用元:https://takeawalkonthewildside.rietveldacademie.nl
アート学校の展示用サイトで、ブルータル特有の“自由すぎるレイアウト”が炸裂している。
整えない・揃えない・均さない。
これらを肯定した強い世界観を持つ。
世代じゃないのにその世代のPCを扱っている気分になれる。
文字は読んだ方がいいのか不安になる。
ポイント
- brutalistwebsites.com 掲載
- 要素の散らばり方がアーティスティック
- 構造より“感覚”で押すタイプ
Curry Cafe(ブルータル度 ★★★★★)

今回の中で最も “暴力的にブルータル” なサイト。
原色、民俗モチーフ、写真の粒子感、縁取り装飾、延々と流れるテキスト…。
すべてが過剰で、すべてが愛おしい。
スクロールすることが楽しい。オレンジが可愛い。色の扱いがインド。
近所にあったら通う。
ポイント
- 民族デザイン × ポップ × ブルータルの異種混合
- 四方を囲む煩雑な枠線
- STAY SPICY! の終わらない圧
- 情報の暴力がポップに昇華されている
【比較表:ブルータル度・特徴・タイプまとめ】
| サイト名 | ブルータル度 | タイプ | 主な特徴 | ひとことで言うと |
|---|---|---|---|---|
| Giant Owl | ★★★★☆ | 構造系ブルータル | 白黒ミニマル/剥き出しのレイアウト/タイポ主体 | “構造の強さが光る無装飾ブルータル” |
| Problem Studio | ★★★★★ | ネオ・ブルータル | 白×青の暴力的タイポ/崩した余白/自由レイアウト | “現代ブルータリズムの王” |
| Studio Job | ★★★★☆ | アート系ブルータル | ビビッド色/非対称構成/刺激的ビジュアル | “アートがUIを乗っ取ったブルータル” |
| Purho | ★★★★☆ | ブランド系ブルータル | 粗い配置/高発色/画像と文字のラフな重なり | “ラグジュアリーを破壊するブルータル” |
| Take a Walk on the Wild Side | ★★★☆☆ | アート学校系ブルータル | 実験的レイアウト/要素散布/感覚重視 | “自由すぎる構成のアートブルータル” |
| Curry Cafe | ★★★★★ | カオス系ネオブルータル | 原色祭り/縁取り/民族×ポップ/情報の暴力 | “カオスの美学。暴力的ブルータルの完成形” |
ブルータリズムから見える“デザインの軸”
- むしろ「整えない」「揃えない」を肯定する思想
- ミニマルの反対側にある“乱雑の美学”
- サイトを壊す勇気が世界観を生む
- 綺麗じゃなくても強いデザインは成立する
- B型を感じる(いい意味)
- 好きなもの作った、見たければ見れば?感、最高
- やりっぱなし、つくりっぱなし
まとめ
6つのブルータリズムサイトには、静かに構造を見せるものから、原色のカオスで圧倒してくるものまで、さまざまな表現があります。
しかし、それらには共通して 「整えすぎない勇気」 と 「世界観を最優先にする姿勢」 が息づいています。
ブルータリズムは、ミニマルの対極にある“乱雑の美学”ともいえます。
きれいにまとめることよりも、デザインの強さそのもの をどう届けるかが本質なのだと、あらためて感じました。
これらのサイトを見ていると、デザインに迷ったときこそ、整えない選択をしてみることが、新しい表現につながるのだと思います。
ブルータリズムは、そんな気づきを与えてくれるデザイン手法です。
注意書き
ブルータリズムのサイトは世界中に数多くありますが、その中には安全でないものや、すでにリンク切れになっているものもあります。
とくに実験的なデザインのサイトは、短期間で閉鎖されたり、突然内容が変わったりすることも珍しくありません。私も何度もひやひやしながら、パトロールしました。
この記事で紹介したサイトは執筆時点では閲覧できましたが、閲覧の際はご自身の環境やセキュリティに十分ご注意ください。気になるサイトは、公式リンクやギャラリー経由で確認するのがおすすめです。
