ブルータリズムWEBデザインは、理解よりも思想を優先します。
そして多くの場合、その思想は“理解されない側”へ意図的に足を踏み入れます。
この記事では、ブルータリズムがなぜ「理解されなくていい」という姿勢を価値に変え、
ミニマルや量産型3カラムとは全く違う軸で世界観を成立させるのかを紐解きます。
「理解されなくていい」デザインとは何か

ブルータリズムは、一般的なWEBデザインの前提を正面から裏切ります。
“見やすさ”より“生々しさ”、
“親切さ”より“感情の暴露”。
多くの人に理解されようとする姿勢が、デザインを薄めてしまうことをよく知っているからです。
ブルータルは、迎合しません。
「伝わらない人がいても構わない」
「分かりづらいと感じられる部分も美学の一部」
そんな態度が、世界観の輪郭をより強く、鋭くしていきます。
一般的デザインとの価値基準の違い
ブルータルが大切にするのは、感情・衝撃・むき出しの“乱れ”。
一般的なデザインとは基準が根本から異なります。
| 観点 | 一般的デザイン | ブルータリズム |
|---|---|---|
| 目標 | 多数が理解できる | 少数が深く刺さる |
| 価値観 | 綺麗・整う・迷わせない | 粗い・暴く・揺さぶる |
| 世界観 | 調和 | 不協和音 |
理解されないことを恐れないからこそ、ブルータルは強いのです。
理解の代わりに得られる“濃度”
ブルータルは「わからない」と思われるリスクを負うかわりに、
わかった人に対しては圧倒的な記憶残りを与えます。
“多数に薄く刺す”のではなく、
“少数に深く刺さる”。
その濃度こそ、ブルータル最大の武器です。
ブルータリズムが「不親切」でも支持される理由

ブルータルは、ユーザーに優しいフリをしません。
丁寧に整えて案内するミニマルとは違い、
“迷わせること”すら体験に組み込みます。
不親切さが体験になる理由
ブルータリズムは、情報を均等に整えようとしません。
むしろ、圧をかけるように情報を積み上げたり、
大きすぎるタイポで思考を中断させたり、
予定調和を嫌います。
そうした“揺らぎ”が、以下のような力を持ちます。
- 感情を直接揺らす演出になる
- 読み解くための時間が体験になる
- 分かりやすさでは得られない没入が生まれる
優しさを削った分だけ、生々しい手触りが残るのです。
ブルータルを好むユーザー像
万人受けしません。
だからこそ、刺さる層には強烈に刺さる。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 思考より感覚で見る層 | 整いすぎた世界に退屈している |
| ノイズを美と感じる層 | 不完全性に価値を見出す |
| アート・思想系 | “嘘のないデザイン”を求める |
ブルータルは、理解よりも“忠実さ”で勝負するのです。
ブルータリズムWEBの「情報暴力」とは何か

ブルータルを語るとき、**Information Brutality(情報暴力)**は避けて通れません。
これは単に情報量が多いという話ではなく、ユーザーの思考を揺さぶるための技法です。
情報暴力の具体例と意図
巨大フォント、視線誘導を無視した配置、説明のない要素。
それらはすべて“意図”。
- ユーザーの注意を壊す
- 整った世界から切り離す
- ブランド思想へ強制的に没入させる
混乱は、欠点ではなく演出なのです。
UXと暴力性の新しい関係
ブルータルは、優しいUXの反対側に立っています。
迷わせる・止める・揺らす。
それらはネガティブな要素ではなく、
**“体験の濃度を作るための暴力”**です。
UX=快適だけではない。
ブルータルはそう突きつけてきます。
ありふれたミニマルからの脱却と「はいはい3カラム」問題

ここが今回の核心。
ゆなが毎日堆肥として観察している“日本型ミニマル”と“量産型3カラム構造”。
この二つは、どちらも「安全にまとめる」ことに重きを置きすぎています。
ミニマルがつまらなくなる理由
綺麗で、整い、誰でも同じように作れる。
それはつまり、個性の死でもあります。
- テンプレ通りに作れる
- 破綻しない
- ミスが見えにくい
こうした特徴が、大量生産を生み、
結果として「どれを見ても同じ世界」にしてしまいました。
「はいはい3カラム」という構造疲れ
3カラムが悪いのではありません。
問題は **「考えずに3カラムで済ませる文化」**です。
- ヘッダー
- 大画像
- 3カラム
- よくあるCTA
この流れが“思考停止で成立する構造”となり、
デザインの個性を奪っています。
ここで少しだけ毒を言うなら——
「それ、本当にそのサービスの世界観に必要?」
という問いかけが、3カラム文化にはほぼ存在しません。
ブルータルは、その“思考停止の安心感”を嫌うのです。
「理解されない美」を守り抜くための姿勢

ブルータルを作ることは、迎合を捨てることでもあります。
理解されたい気持ちを少し横に置き、
思想を優先する“強さ”が必要です。
理解されないことは弱さではなく独立
多数派とズレる瞬間には、不安がつきまといます。
しかしそのズレは、独立した思想の証明です。
理解されるために丸くなった瞬間、デザインは誰でも再現できるものに変わってしまいます。
ブルータルを続けるための姿勢
ブルータルは“硬い心”ではなく、
**“折れない芯”**を求めます。
- 反応より世界観
- 多数より深度
- 説明より暴露
- 親切より誠実
理解されない自由を持つことが、ブルータル最大の価値です。
【まとめ】理解されなくていい美学がブルータルを成立させる

ブルータリズムWEBは、多数に向けて最適化されたミニマルや量産型3カラムとは真逆の思想です。理解されようとせず、世界観を濃度で届けようとする姿勢が、唯一無二の個性になります。
粗さ、不完全性、暴力性、乱れ。それらすべてが、ブルータルだからこそ美しい。理解されない自由こそ、デザインを強くする武器です。
