ブルータリズムWebデザインは、「無骨」「見づらい」と誤解されがちです。
しかし本質は、構造・情報・思想をそのまま見せる誠実さにあります。
海外のブルータリズムサイトには、
流行や装飾に迎合せず、設計者の意図が剥き出しになったWebが数多く存在します。
それらは決して雑ではなく、むしろ極端なまでに論理的です。
この記事では、日常的に海外サイトを研究している視点から、
**「ブルータル度が高く、構造の学びが深いサイト」**を6つ厳選しました。
単なるギャラリーではなく、なぜブルータルなのかを言語化していきます。
x20xx(ブルータル度 ★★★★☆)

時間軸が壊れたような、静かで不穏なファーストビュー。
説明的なコピーはほぼなく、雰囲気と構造だけが先に立ち上がるサイト。
未来的なのに親切ではない。
その違和感が、このサイトを強くブルータルにしている。
クリックしても「理解させよう」としてこない設計は、
読み手に委ねる勇気の表れでもある。
ポイント
- クリックするたびに不安になる構造
- 説明を削ぎ落としたファーストビュー
- 世界観を構造で伝える設計
Kane Robinson(ブルータル度 ★★★☆☆)

引用元:https://kanerobinson.com/5/
一見するとシンプルな個人ポートフォリオ。
しかしよく見ると、整えすぎない構造が意図的に残されている。
完成度を誇示しない。
未完成であることを、そのまま置いている印象。
むしろ未完成でもない、これがもうベストな完成。
この「完成感」が、
個人サイトとしてのリアリティとブルータリズムを両立させています。
ポイント
- 未完成感を許容した構造
- 個人性がレイアウトに滲む
- 整理しすぎない情報配置
- 読んでも報われるかはあなた次第
TXTBOOKS(ブルータル度 ★★★★★)

文字、文字、文字。
視界に入るのは、ほぼテキストだけ。
このサイトは、タイポグラフィそのものがコンテンツ。色もかわいい。
画像や装飾に頼らず、情報の塊を真正面からぶつけてくる。
不親切で、重く、読む側に覚悟を求める。
それこそが、TXTBOOKSのブルータリズム。
ポイント
- タイポグラフィ至上主義
- 情報量を恐れない設計
- 読み手に負荷をかける思想
- 途中にある画像がまた謎、不協和音
DAZZLE STUDIO(ブルータル度 ★★★☆☆)

引用元:https://dazzle.studio/index.html
一見すると洗練されていますが、
中身はかなり荒々しい構造。
情報は多く、整理されきっていない。
しかしその雑多さが、商業とブルータリズムの境界を感じさせる。
それでも見てて楽しい、待ってれば見せてくれる。
UIも親切。本当はいいやつ。
ポイント
- 情報量を残したブルータル設計
- 商業サイトとのギリギリの線
- 整理しすぎないレイアウト
Cargo Collective / artsqool(ブルータル度 ★★★★☆)

引用元:https://cargocollective.com/artsqool
作品が、ただ並んでいる。
説明も、誘導も、ほとんどなし。色が可愛いのにノイズ。
見せ方より、置き方。
この割り切りが、非常にブルータル。左寄りはマスト。
アートスクールらしい、
評価を委ねない姿勢が構造に表れている。
ポイント
- 説明を極限まで削減
- コンテンツを「置く」感覚
- 評価を強制しない構造
das bisschen totschlag(ブルータル度 ★★★★★)

引用元:https://dasbisschentotschlag.de/
暴力的で、不親切で、かなり好き。
圧倒的にブルータル。
視線誘導は無視され、
操作感も快適ではない。迫りくるものとの戦い。
それでも成立しているのは、
この不快さ自体が表現だから。最高。
ポイント
- 不快さを含めた設計思想
- ユーザビリティを犠牲にする覚悟
- 表現としてのWeb構造
【比較表:ブルータル度・特徴・タイプまとめ】
| サイト名 | ブルータル度 | タイプ | 主な特徴 | ひとことで言うと |
|---|---|---|---|---|
| x20xx | ★★★★☆ | 思想・実験系ブルータル | 説明を排除 / 時間軸の破壊 / 世界観重視 | 「理解させないことで成立するブルータル」 |
| Kane Robinson | ★★★☆☆ | 個人系ブルータル | 未完成感 / 整えない構造 / 人間味 | 「途中であることを肯定するブルータル」 |
| TXTBOOKS | ★★★★★ | タイポ特化ブルータル | 文字主役 / 情報量過多 / 不親切 | 「読む覚悟を要求する文字の暴力」 |
| DAZZLE STUDIO | ★★★☆☆ | 商業×ブルータル | 情報多 / 整理不足 / 商業ギリギリ | 「商業の皮を被った荒々しさ」 |
| artsqool(Cargo) | ★★★★☆ | アート系ブルータル | 説明削減 / 作品放置 / 評価しない | 「置いてあるだけの強さ」 |
| das bisschen totschlag | ★★★★★ | 破壊系ブルータル | 不快UI / 暴力的操作 / 疲労設計 | 「不快さそのものが表現」 |
ブルータリズムから見える“デザインの軸”
- 「わかりにくさ」を欠点ではなく個性として扱う
- 整えない判断そのものがデザインになる
- 情報を減らすより、配置で意味を生む
- ユーザー体験より、制作者の態度が前に出る
- UIがサービス説明を放棄する瞬間がある
- 閲覧行為そのものに負荷をかける設計
- 完成形より「置かれた状態」を優先する
【まとめ】構造を恐れない海外ブルータリズムの強さ
海外のブルータリズムWebサイトは、
「わかりやすさ」や「心地よさ」を最優先にはしません。
その代わり、構造と思想を正直に露出させています。
今回紹介した6サイトはいずれも、
装飾ではなく設計そのものが語るWebでした。
ブルータリズムとは、荒さではなく、誠実さなのだと改めて感じさせられます。
注意書き
ブルータリズムのサイトは世界中に数多くありますが、その中には安全でないものや、すでにリンク切れになっているものもあります。
とくに実験的なデザインのサイトは、短期間で閉鎖されたり、突然内容が変わったりすることも珍しくありません。私も何度もひやひやしながら、パトロールしました。
この記事で紹介したサイトは執筆時点では閲覧できましたが、閲覧の際はご自身の環境やセキュリティに十分ご注意ください。気になるサイトは、公式リンクやギャラリー経由で確認するのがおすすめです。
