海外ブルータリズムサイト 6選
ここで紹介する6つのサイトは、いずれも「わかりやすさ」や「親切さ」を最優先にはしていません。
作品を整然と並べることや、見る人を迷わせないことよりも、
制作者の姿勢や距離感、そのままの在り方をWeb上に残すことを選んでいます。
そのため、使いやすいとも、親切とも言い切れない構造のものが多いです。
しかし、その不完全さや不揃いさが、結果として強い印象を残します。
これらのサイトは、UIやデザイン以前に、
「どんな態度で世界と向き合っているか」を先に提示しているように見えます。
1. The New York Times: This Is 18

引用元: https://www.nytimes.com/interactive/2018/10/11/style/this-is-18.html
- NYTのインタラクティブ長編ストーリー形式。
- 18歳の人生/感覚/視点をインタラクティブで体験する構造。
- スクロールと映像・テキストの掛け合わせが特徴的な表現。
- ジャーナリズム × Web インタラクティブの“ストーリーとしてのUI”。
👉 ニュースメディア × 体験デザインの最前線として読む価値あり
ブルータル度:★★★☆☆
タイプ:体験・物語/インタラクティブ
※ NYTのインタラクティブ記事は、単純にテキスト記事ではなく、UXとしての体験重視の表現がされている。
2. Under Consideration

引用元:https://under-consideration.com/
- デザイン/批評家主体の対話型ブログ
- 投稿内容が互いの返信として循環的に続く構造
- 普通のブログレイアウトだが、思想性・対話の継続性が特徴
- ロゴ自体がやり取りの状態を象徴するように宣言されている
ブルータル度:★★★☆☆
タイプ:思想・批評/対話
デザイン思考 × 批評の“継続的な運動”として読む
3. The Restart Page

引用元: http://www.therestartpage.com/
- PCの起動/再起動画面を集めたインタラクティブ・アーカイブ
- 体験として“懐かしさ/操作感”を再現
- ただ見るだけでなく、クリックすると古いOSの起動画面が再現される
ブルータル度:★★★★★
タイプ:インタラクティブ体験/ノスタルジア
UIそのものが“体験装置”として提示される、極めて実験的なサイト
4. Rui.cool (Rui da Paz)

引用元: https://rui.cool/
- デザイナー Rui da Paz のポートフォリオ兼自己表現サイト
- テキスト主体だが、思想的・語りの形で自己と仕事がリンクしている
- グラフィック・プロジェクト紹介と自己紹介が混在
ブルータル度:★★★☆☆
タイプ:自己表現系/ポートフォリオ
「デザインそのものよりも“生活/思想/態度”を見せるサイトとして読む
5. martinmartin.net

引用元: https://martinmartin.net/
- 視覚を根本から捉え直すギャラリー型サイト
- 画像が並ぶだけの構造だが、直感的な体験として成立している
- ナビゲーションが「番号」+「イメージ」というシンプルさ
- 情報を“見せる/隠す”より先に“感じさせる”行為として成立
ブルータル度:★★★★☆
タイプ:視覚抽象/体験展示
6. CONDO Complex

引用元: https://www.condocomplex.org/
- 国際ギャラリー共同プロジェクト「CONDO」展示のオフィシャルサイト
- JSベースの現代的展示サイトで、 JavaScript 必須
- コラボレーション展示の“アーカイブ”/“地図化”として成立
- 単なるイベントサイト以上の、ネットワーク感がある設計
ブルータル度:★★★☆☆
タイプ:展示アーカイブ/イベントネットワーク
比較表:ブルータル度・タイプ感
| サイト | ブルータル度 | タイプ | キー表現 |
|---|---|---|---|
| The New York Times: This Is 18 | ★★★☆☆ | 体験/インタラクティブ | インタラクティブ物語 |
| Under Consideration | ★★★☆☆ | 批評/対話 | 連続的思考 |
| The Restart Page | ★★★★★ | 体験/ノスタルジア | UIそのもの |
| Rui.cool | ★★★☆☆ | 自己表現/作品集 | パーソナル表現 |
| martinmartin.net | ★★★★☆ | 視覚展示/抽象 | 直感的体験 |
| CONDO Complex | ★★★☆☆ | 展示/アーカイブ | 国際展示ネットワーク |
共通するデザイン哲学(読み解き方)
✔ 単なる“情報提示”ではなく 体験/関係性をつくる
✔ ストーリー/ノスタルジー/批評性が UIと同列の価値
✔ 表現が整いすぎない(過度に機能優先でない)ことが 思想としての強さ
✔ 見せ方や体験そのものを 問いとして提示している
注意書き
ブルータリズムのサイトは世界中に数多くありますが、その中には安全でないものや、すでにリンク切れになっているものもあります。
とくに実験的なデザインのサイトは、短期間で閉鎖されたり、突然内容が変わったりすることも珍しくありません。私も何度もひやひやしながら、パトロールしました。
この記事で紹介したサイトは執筆時点では閲覧できましたが、閲覧の際はご自身の環境やセキュリティに十分ご注意ください。気になるサイトは、公式リンクやギャラリー経由で確認するのがおすすめです。
